ピアノ独奏:グレン・グールド
(1964年/アナログ・セッション録音)
<SONY/BMG>8697147952
グールドが、ベートーヴェンの作品番号10のピアノ・ソナタ3曲(第5番、第6番、第7番)を収めたアルバムだ。
モーツァルト同様、ここでもグールドの「我が道をゆく」スタイルは徹底されているが、モーツァルトよりもベートーヴェンに親近感を抱いているためか、作品の結構(旨味)を結構意識した演奏に仕上がっているように思う。
(三幅対というか、3つのソナタを一つながりの作品としてとらえているかのようにも感じられる)
もちろん、ベートーヴェンの音楽の持つ劇性、活き活きとした感じが一層強調されていることは、言うまでもない。
実に躍動感に富んだ録音である。
ベートーヴェンの初期のソナタを愉しく聴きたいという方には、強くお薦めしたい一枚だ。
(なお、オリジナルのマスターテープによるものだろう、若干ノイズが多いので、演奏そのものよりも音質が気になるという向きはご注意のほど)