2013年06月17日

『読まずにはいられない』と『あめりかむら』を読み終えた

 晴天が続く。
 どんよりとした感じはありつつも、青空の見える一日だ。

 気温も上昇し、暑さが厳しい。
 暑い暑い暑い暑い。
 皆さん、くれぐれも熱中症にはお気をつけくださいね。


 昨夜、北村薫の『読まずにはいられない』<新潮社>を読了する。
 折り目正しい文章の中から、本格派ミステリに対する強い愛情が垣間見える北村さんらしいエッセイ集となっていた。
 ああ、面白かった!

 その後、youtubeに投稿されたジョン・レイサム=ケーニヒ指揮フランドル交響楽団が演奏したベリオの(ボッケリーニによる)『マドリードの夜の帰営ラッパ(夜警の行進)』、グスターボ・ドゥダメル指揮ロスアンジェルス・フィル、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル、アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団がそれぞれ演奏したロッシーニの歌劇『どろぼうかささぎ』序曲、バリトンのトーマス・ハンプソンが歌ったロッシーニの歌劇『セヴィリアの理髪師』から「私は町のなんでも屋」を聴いたりしながら、4時近くまで仕事関係の作業を進める。
 ドゥダメル指揮の『どろぼうかささぎ』序曲は、オーケストラの機能性を活かし音楽の勘所をよくつかんだグラマラスな演奏。
 ただし、正直なところあまりわくわくはしない。
 村上春樹がこの演奏しか聴かなかったら、もしかしたら『ねじまき鳥クロニクル』は生まれなかったんじゃないか、などとも思ってしまう。
 一方、トスカニーニ指揮による演奏は、前のめりで威勢がよい。
 多少の表面的な粗さもなんのその、とてもわくわくする。
 どのような状況下で演奏されたか(例えば、コンサートの前座か否か)も大きいだろうが、加えて「劇場感覚(経験)」の有無も大きいんじゃないかと感じる。
 ハンプソンの「私は町のなんでも屋」は、ロッシーニ記念のコンサートでのもの(ロジャー・ノリントンの指揮)と、メトロポリタン歌劇場でのヨハン・シュトラウスの喜歌劇『こうもり』中のガラ・コンサート(ジェイムズ・レヴァイン指揮)でのものの二種類を聴く。
 イタリア云々とは異質のものだろうが、いずれもハンプソンの陽性で闊達な歌いぶりが魅力的だ。
 そうそう、メトのほうでは先代の名フィガロ、ヘルマン・プライ(老けてる)が後ろのほうに座ってハンプソンの歌をじっと耳にしている姿も興味深かった。


 日曜日明け、朝早くからまたぞろ近所の解体作業がかまびすしい。
 なんともかとも。


 テノールのクリストフ・プレガルディエンとフォルテピアノのアンドレアス・シュタイアーが演奏したシューベルトのシラーの詩による歌曲集<ドイツ・ハルモニアムンディ>、ミヒ・ガイック指揮オルフェオ・バロック・オーケストラが演奏した同じくシューベルトの交響曲第5番&序曲集<同>を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進める。
 シラーの詩による歌曲集は、物語性の強いバラードを集めたアルバム。
 リートのようなポピュラリティにはいささか不足するものの、プレガルディエンとシュタイアーによる細部まで目の詰まった精緻な演奏もあって聴き応えは充分である。
 ガイック指揮のCDは、交響曲第5番も悪くないが、世界初録音を含む序曲集が聴きものだろう。


 14時過ぎに外出し、仕事関係の用件をすませたのち、下京図書館へ。
 『読まずにはいられない』、松浦寿輝の『不可能』<講談社>、駒村吉重の『君は隅田川へ消えたのか』<同>、北尾トロの『中野さぼてん学生寮』<朝日新聞出版>を返却し、予約しておいた石田千の『あめりかむら』<新潮社>、橋本治の『幸いは降る星のごとく』<同>、駒村吉重の『山靴の画文ヤ 辻まことのこと』<山川出版社>、森まゆみの『千駄木の漱石』<筑摩書房>、浅見雅男の『不思議な宮さま』<文藝春秋>を新たに借りる。


 帰宅後、ピアノのエリック・ル・サージュとステファン・ドネーヴ指揮リエージュ・フィル他が演奏したプーランクのピアノ協奏曲集<RCA>と、ル・サージュを中心としたメンバーが演奏した同じくプーランクの室内楽曲全集<同>2枚組を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、『あめりかむら』を読み進めたりする。


 所用があって、夕飯前に再び外出する。


 途中夕飯を挟み、NHK・FMのベスト・オブ・クラシックで、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭におけるトーマス・ヘンゲルブロック指揮北ドイツ放送交響楽団のコンサートのライヴ録音を聴く。
 ヘンゲルブロックと語り(ペール・ギュント)を務めるクラウス・マリア・ブランダウアーによって編纂された、グリーグの劇音楽『ペール・ギュント』が放送されていた。
 ちなみに、ブランダウアーはオーストリア出身の名優で、超能力者の悲劇を描いた『ハヌッセン』の主人公役が特に印象的だ。


 続けて、フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮シャンゼリゼ管弦楽団他が演奏したメンデルスゾーンの劇音楽『夏の夜の夢』&序曲『フィンガルの洞窟』<ハルモニアムンディ・フランス>、ニコラウス・アーノンクール指揮コンツェントゥス・ムジクス・ウィーン他が演奏したパーセルの歌劇『妖精の女王』の第3幕まで/CD1枚目<TELDEC>を聴く。
 パーセルの作品もまた、シェイクスピアの『夏の夜の夢』を題材にした作品である。


 夕飯後、仕事関係の作業を進める。


 『あめりかむら』を読了する。
 端正で折り目正しい文章の中に、深い襞、大きな翳りがあるといった作品が続く。
 最後に収められた『大踏切書店のこと』だけが、他の作品と異なりほっこりとした感じがあるなと思っていたら、これが作者のデビュー作(古本小説大賞受賞作)とのことだった。


 続けて、『幸いは降る星のごとく』を読み始める。
 モデルの想像も難くない女性芸人たちの生態を通して、今現在の人情風俗を的確にとらえたクロニクル的意味合いも含んだ小説か。
 橋本治らしい。


 今日は、東ハトのキャラメルコーンを食す。
 卸売ひろばタカギで、税込み73円だったもの。
 オーソドックスなキャラメルコーンで、ローストピーナッツともどもなかなか美味しうございました。
 ごちそうさま!


 明日がいい日でありますように!
 それじゃあ、おやすみなさい。
posted by figaro at 22:08| Comment(0) | TrackBack(0) | CLACLA日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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