指揮、チェンバロ:トン・コープマン
管弦楽:アムステルダム・バロック・オーケストラ
(1997年1月、4月/デジタル・セッション録音)
<ERATO>0630-17868-2
軽さも軽し躁々し。
G線上のアリアへの編曲で有名なアリア(エア)が含まれた第3番や、フルート独奏が活躍する第2番など、ヨハン・セバスティアン・バッハの代表的なオーケストラ作品である管弦楽組曲全曲(第3番、第1番、第2番、第4番の順で収録)を、トン・コープマン指揮アムステルダム・バロック・オーケストラが演奏したアルバムについて一言で表わすとしたらそのようになるだろうか。
かつてのカール・リヒターのような重厚な演奏に比べれば、少々上滑りして聴こえなくもないだろうが、ピリオド楽器の細やかな音色にコープマンの軽快な音楽づくりが加わって、実に聴きなじみのよい活き活きとした演奏に仕上がっていることもまた事実だ。
少なくとも、作品本来の舞曲性が巧くとらまえられた演奏であることは、まず間違いあるまい。
弦楽管楽ともに達者だし、第2番でのヴィリベルト・ハーツェルツェトのフラウト・トラヴェルソのソロも見事というほかない。
録音もクリアでコープマンらの演奏によくあっている。
僕は輸入盤の中古を431円で入手したが、国内盤の新品も1000円でリリース中だ。
バッハって、なあんか重苦しいやと敬遠しているむきには、特にお薦めしたい一枚である。